家を売る時には、まずは不動産会社に査定依頼をすることになるのですが
不動産会社は専任媒介契約をはやく交わしたいために、売主に相場の価格より高めの金額を提示する傾向があります。
その結果、家が中々売れずに売れ残ってしまう、また売り出した時は反響が多くあったけどその後に価格改定しても中々反響が増えない・・・
家が売れなくて、どうしたらいいんだろうか? と悩んでしまう売主は多いものです。
くれぐれも、不動産会社の売却査定額が高いからといって、簡単に依頼することを決めないことです。
レインズという業者間の情報サイトを見ていると、明らかに相場から乖離した値段で売りにでてる物件が多くあります。
そのような物件の大半は、半年から1年と売れ残ってしまっていますが、
あなた様が売りに出してる物件は売れ残っていませんか?
もしも、半年から1年以上売れ残ってしまっているのであれば、不動産会社による売却査定額は高かった可能性があり、要注意です。
不動産会社に売却査定を依頼して、1番査定価格が高かった会社に依頼するというのは、やめたほうがいいかもしれません。
不動産会社を選ぶポイントは主に3つあります。
1、近隣の取引事例や成約事例を調査してくれて、
2、販売方法や広告活動まで提案してくれて、
3、過去の実績や事例をふまえて具体的なアドバイスを教えてくれる、一番信頼できそうな不動産会社を選ぶべきです。
信頼できる不動産会社が見つかったならば、専任媒介契約を交わして3ヶ月お願いしてみることです。
1.査定が高すぎることもある
査定価格は高ければ良いってものじゃありません。
相場から離れた金額で売りに出せば、半年以上売れ残ってしまうこともあります。
売れ残ってしまった物件は、せっかくの見込み客を逃してしまうことになり、価格変更や販売方法の見直しをしなければ、さらに成約になるまで長期化してしまう可能性もあります。
家を買い替え予定の方、早期に不動産を売却したい方、相続不動産を遺産分割予定の方からしたら
売却が長期化することは都合が良いとは言えません。
不動産会社の立場として、売却依頼を1件でも多く受けなければ、仲介手数料という報酬は稼げません。
だから、相場より高い金額で売り出すことを売主に提案して、媒介契約を1件でも多く交わそうとする不動産会社は多いのです。
不動産会社はまず売主と媒介契約を交わすために、少し高めの売出金額を提案してくるかもしれません。
売出金額が高くても、販売当初は反響は多いけれども成約にはならず、売り出し2ヶ月から3ヶ月目になっていくと徐々に反響が少なくなっていくという、残念な結果になってしまいます。
不動産会社は他社より先に媒介契約を交わしたいために、高めの査定をする傾向がある
それでは、査定価格を高すぎない不動産会社に依頼したほうがいいのかというと、そうでもありません。
適正の価格、価格の根拠、販売方法や広告活動を聞いたうえで、不動産会社を選びましょう。
また、営業マンのスキルやレベルも差があります。
売主の立場にたってくれることはもちろんのこと、そのほかにも営業マンが建築の知識やローン等の知識をもっているかどうか見極めることも大切です。
1-1.売却査定をとるなら2社以上
不動産会社といっても、色んなタイプの不動産会社があります。
・賃貸の仲介に強い不動産会社
・売買の仲介に強い不動産会社
・収益物件の仲介に強い不動産会社
・大手不動産会社
・地場の不動産会社
・積極的に現地案内会をおこなう販売系の不動産会社
また、これだけでなく免許番号の数や店舗数、担当営業マンの実績など
不動産会社を見極めるためのポイントも多いです。
売却査定を依頼するならば、3社以上の不動産会社にお願いしてみましょう。
それと、売却したい物件を立会いの上で見てもらって、査定してもらうことが大切です。
土地や一戸建ての場合だと、立地や土地の形状・道路付け・建物の状態など、査定するポイントが沢山あります。
電話だけの机上の査定と、訪問による査定とでは、後々査定金額が大きくずれてしまうこともあります。
1-2.査定価格と公示地価、路線価
不動産会社による査定価格は、相場の1割から2割ほど高くなっていることがあります。
営業マンは、『高く売ってくれる不動産会社に依頼したい』という売主の心理を理解しているため
弱気な金額を提示することはありません。
売主の希望価格も沿えるように価格を決めてしまえば、販売価格が高くなってしまうことがあります。
袋地、再建築不可や43条但し書きの許可が必要となる土地の場合、相場の3割から4割以上高いような金額で販売されてることもあります。
大手財閥系の不動産会社が査定してくれた物件でも、相場から乖離してるような物件もあります。
相場から大きく金額がずれてる物件は、99%売れることはありません。
そのようなレインズ登録日から1年以上経ってるような物件は沢山あります。
また、当社に『路線価のどれぐらいで売れますでしょうか?』と売却価格のご相談をいただくこともありますが、
路線価は参考にならないこともあります。
路線価は実勢価格の70%から80%程度、公示地価は実勢価格の90%から100%程度が目安となります。
但し、不動産には土地の形状や地積、道路付けなど、いろいろな要素があるため、一概に路線価や公示地価から算出することは出来ません。
広大な土地だったとしても、間口が非常に狭く利用用途が限定的になってしまう場合には、相場の半値以下でも売れません。
土地が大きくて固定資産評価額が高くなっていても、その評価額でも売れないのです。
そのような物件は、路線価や評価額よりも大きく下回った金額でないと売れないことがあるのです。
下記ページもご参考くださいませ。
家や土地を売るときの価格基準【公示地価/基準地価/路線価/評価額】
1-3.相場から乖離しやすい物件の特徴①
大手不動産会社が売り出してる物件でも、
『その価格が妥当なのかわからない』と不安になって、当社にご相談にこられる方もいます。
相場から乖離しやすい物件として、下記のような物件があげられます。
旧耐震基準(1981年以前)の物件、狭小地の物件、私道持ち分が無い土地(通行掘削の同意書無し)、再建築不可の物件などです。
また、中には近隣トラブルをかかえていて、販売活動がまともに出来ない物件もあります。
このような物件は、まずは近隣トラブルを解消しないと、そのまま営業活動を行ったとしても、売れないことになります。
下記のように、周辺の物件や過去の相場を引き合いに出す方もいますが、ムダになることがあります。
『すぐ近くの家は坪〇〇万で売れた』 『50坪もあるから、2000万円以上で売れる』 『坪80万から100万では売りたい』
なぜならば、車の出入りが出来ない、住宅ローンがつかえない、建て替えが出来ないの難点があると買い手も限定されます。
建て替えができないのであれば、土地が大きくてもメリットがありません。
結局、不動産取引は、その価格で買いたいという人があらわれなければ、成立しません。
買い手が限定されてしまうような物件は、相場から乖離しやすい物件となります。
そのような物件は、不動産会社が高い査定金額をつけていることもあるので、要注意です。
1-5.住宅ローンが利用できるかどうか
相場が坪100万円だったとして、坪50万円の土地であれば非常にお買い得にみえるかもしれません。
しかし、住宅ローンが利用できない物件であれば、40坪の物件が2000万円だったとしても
銀行で住宅ローンを組めずに、高金利で(金利4%~)でローンを組んでしまうと、総支払額が3000万円を超えてしまいます。
住宅ローンが利用できない物件は、現金一括で買える客を除いて、一般の買主は購入を避けてしまいます。
住宅ローンが利用できない物件は、狭小地や再建築不可などの物件です。
買主が住宅ローンを利用できないばかりに、相場の半値でも売れないことがあるのです。
買取再販の業者は、現金一括で買える方をターゲットに販売することが多いです。
1-6.レインズに掲載されたかどうか
不動産会社に依頼してか1年以上売れていないのであれば、不動産会社の変更も含めて販売の見直しが必要です。
中には、売主・買主どちらからも両手報酬を得たいために、レインズに掲載をしない不動産会社もあります。
レインズに掲載されてるかどうか、他の不動産会社に確認してもらうことも大事です。
下記のページもご参考くださいませ。
不動産の販売価格の値下げのポイントや時期【一戸建て/マンション】
さいごに
物件によっては適正価格を判断するのがむずかしく、いざ売り出してみたら反響が全く無いということもあります。
基本的には売主は、不動産会社からのアドバイスを受けて最終的に販売価格を決めることになりますが、
不動産会社によるアドバイスした価格がそもそも大きく間違えていることだってあります。
大手不動産会社や地元の不動産会社に依頼しても、価格設定の間違いはよくあることなのです。
不動産会社による売却査定額が高すぎた場合には、価格改定だけでなく、他社への相談も必要となるかもしれません。