不動産会社に家や土地を売る相談をするときに、『ここら辺の土地の相場は坪100万円から120万円位です』と営業マンから言われるかもしれません。
不動産を買うとき、売る時には、坪当たりの価格の相場を知っておきましょう。
取引事例や周辺売り出し物件の坪単価を知ることで、売り出し物件の価格も決めやすくなります。
土地の坪単価は土地の形状や立地、大きさ、その他条件(更地なのか、現況渡しか、境界確定作業の有無)等によって、左右してきます
一戸建ての場合には、土地と建物それぞれに分けて計算する必要があります。
また、マンションの場合には、専有面積の表示がされており平米単価であらわすことも多いですが、坪単価であらわすこともできます。
その場合には、価格÷専有面積(平米単価)÷0.3025=坪当たりの価格となります。
不動産会社の営業マンは、『うちが販売してるマンションは、坪400万円もするから、中々売れなくて困ってるよ』 や 『あそこの土地は少なくとも坪○○万円位で売れそうだな』と、会話することもあります。
やはり、成約事例や周辺の売り出し物件の坪単価を知ってると、、売りたい物件の価格が妥当であるかどうか、判断しやすくなります。
1.家を売る時の坪単価の基準
坪単価とは、本来、建物を建築するときの1坪当たりの建築費用のことをいいます。
坪単価であらわすことで、建築会社やハウスメーカーの施工費用の比較もしやすくなります。
1坪の計算方法としては、下記のとおりです。
1坪=(10/33×6)×(10/33×6)=約3.305785㎡となります。
つまり、
1坪=約3.3㎡です。
私はいつも不動産の謄本や権利証に表示されてる㎡数から、下記のように坪数を算出しています。
平米数(㎡数)÷3.3=坪数
土地の坪数、建物の坪数を知っておけば、坪当たりの価格を計算することも可能です。
家を売る時にも、坪単価の基準(相場)を知っていれば、自分の家の坪単価も知ることができます。
下記のページもご参考くださいませ。
家や土地を売るときの価格基準【公示地価/基準地価/路線価/評価額】
1-1.一戸建てとマンション
一戸建ての場合には、土地と建物を分けて坪単価の計算をする必要があります。
まず、土地は、立地や形状・接道間口等を考慮して、土地の坪当たりの価格を算出します。
土地に関しては、取引事例比較法(多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量し、これによって対象不動産の試算価格を求める手法)を用いることが多いです。
建物は、建築会社・グレード・築年数・老朽度合・リフォーム状況などを総合的に勘案した上で減価修正を行って、坪当たりの価格を算出します。木造の耐用年数22年を超えた住宅では、今まで修繕やリフォームがされていなければ、建物の価値は0円として、ほぼ土地値で売買されていることがあります。
建物に関しては、原価法(再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の試算価格を求める手法)を用いることが多いです。
マンションの場合には、住戸の専有面積で坪単価又は平米単価を計算します。
マンションは、立地・専有面積・築年数や階数・眺望等を考慮して、マンションの坪当たりの価格を算出します。
港区の新築マンションの平均坪単価が○○○万円! というようなニュースを目にすることもありますが、
販売価格の総額を住戸合計面積で割って計算することで、平均坪単価を出しています。
もしも、中古マンションを売る時には、建物内の同一住戸や同エリアの売り出し物件・成約事例などの坪単価(平米単価)を参考にしましょう。
マンションは、物件のグレードやブランド力・その他条件(立地、専有面積、築年数、階数、眺望等)を考慮した上で加点・減価修正を行います。また、取引事例比較法を用いることが多いです。
1-2.建築費の坪単価(ハウスメーカー)
中古戸建てを売る際には、ハウスメーカーの木造建築費の平均坪単価も知っておきましょう。
築年数が10年から20年と経っていなく、建築当時にそれなりに建築費をかけた注文住宅であれば、売る時に建物の評価を加味することができます。
もしも、家の平均寿命といわれいてる30年を超えている場合には、建物の価値が0円になるといわれています。
しかし、建築当時に建築費をかけた注文住宅や、修繕や増築・リフォームをされてきた家であれば、建物がまだ利用可能として、建物の価値があるとみなして購入する買い手の方もいるでしょう。
建物に価値が無ければ、建て替え前提で購入される方や更地渡しが条件で買いたいという方がいるでしょう。
(引用元:住宅産業新聞のデータ)
ハウスメーカーによって、特徴や売り(PR)が異なってきます。
坪30万円から50万円であるハウスメーカーはローコストハウスメーカーともよばれています。
坪30万円~50万円・・・アイダ設計、アイフルホーム、アキュラホーム、タマホーム、(地元工務店)
坪50万円~70万円・・・飯田産業、一条工務店、木下工務店、積水ハウス、パナホーム
坪70万円~・・・住友林業、三井ホーム、スウェーデンハウス、へーベルハウス
また狭小地であれば、建築費の坪単価も高くなりやすくます。
なぜならば、床面積や壁面積が減っても、設備(システムキッチン、トイレ、ユニットバス)の費用は変わらないからです。
狭小地だと、足場が組みづらかったり間口が狭かったりで、職人の手間が増えたり、人力で対応しなければいけない場合が出てきます。
そうなると、工期も伸びる為、人件費も高くつきます。
鉄骨造やRC造だと建築費の坪単価も上がってきます。
目安ですが、鉄骨造であれば坪単価80万円~、RC造であれば90万円~と金額も高くなります。
ハウスメーカーの建築費の平均坪単価は、外構費やガス水道電気引き込み工事費、地盤改良費などの付帯工事費、諸費用(登記費用、火災保険、仲介手数料等)は含まれていません。
あくまでも、本体価格÷延べ床面積(坪)となります。
1-3.新築や築古物件は坪単価どれぐらいで売買されている?
東京都23区の新築住宅(マンション・戸建て)は平均して坪250万円から坪300万円で売買されています。
ここ3年から4年は上昇基調です。
新築住宅の価格や坪単価が上昇してくると、中古住宅の価格にも影響してきます。
立地や物件種別、築年数によって価格も変わってきます。
立地が良い渋谷区・港区といった都心エリアであれば、築年数が30年以上経つ築古マンションでも、坪単価200万円から300万円で売り出されている物件が多いです。
不動産売買の業者は、中古物件の相場や成約事例、履歴等を調べることができます。
レインズや東京カンテイ・Atbbの有料サービスに加入しているため、中古住宅(マンション・戸建て)の坪単価を把握しています。
もし、売りに出そうと思っているマンションや土地の坪単価が知りたければ、不動産業者にきいてみましょう。
不動産業者は有料で上記のサービス(レインズ、東京カンテイやAtbb有料サービス)に加入しているので、過去の売り出し履歴、成約事例などから、だいたいの坪単価を教えてくれるでしょう。
1-4.東京23区の坪単価
2016年度12月、東京23区(一部)、新築マンション(築後1年以内)、新築戸建て、土地で売り出されている坪単価は下記のとおりです。
レインズ閲覧による情報となります。50㎡以上で区切ってます。借地権や未接道の不動産、古家付き土地は除外しています。(2016年12月7日時点)
新築マンション
東京都北区(レインズ掲載物件 7件)・・・坪単価224万~348万円(平均坪単価310万円)
東京都渋谷区(レインズ掲載物件 11件)・・・坪単価440万円~880万円(平均坪単価600万円)
新築戸建て
東京23区(レインズ掲載物件9件)・・・坪単価240万円~坪単価600万円
土地
東京都板橋区(レインズ掲載106件)・・・坪単価70万円~356万円(平均坪単価170万円)
駅からの徒歩時間、立地、土地の形状、建物のグレード、その他様々な要因によって、不動産の坪単価は異なります。
東京カンテイによる、直近3ヶ月による東京23区の新築一戸建ての平均価格は下記のとおりです。
2016年9月・・・5990万円(土地111.8㎡建物101.0㎡) 278戸データ
2016年10月・・・6696万円(土地109.5㎡建物102.6㎡) 235戸データ
2016年11月・・・5990万円(土地113.3㎡建物99.1㎡) 237戸データ
(引用元:東京カンテイ) 上記を坪単価に計算すると、坪単価200万円位ですね。
1-5.坪単価で売却価格を決めてみよう
売りたい物件が、下記のどれに該当するでしょうか。
- 築年30年以内の中古戸建てなのか
- 築年30年を超えてる古家付き土地なのか
- または更地なのか
- 中古マンションなのか
物件種別やその他要因を加味した上で、坪単価の計算をしてみましょう。
土地の坪数が大きければ、売り出し価格を高く設定することも出来ますし、
中古マンションでも専有面積が広ければ、売り出し価格を高く設定ることが出来ます。
※立地や建物のグレード・築年数・階数(眺望)等の条件次第では、価格が低くなってしまうこともあります。
築10年の中古マンションが坪単価150万円から200万円で売買されてるエリアであれば
専有面積70㎡(約21.2坪)の場合
3180万円から4240万円の価格帯が一つの目安となります。
あとは、売主の希望価格やローンの残債といった個別要因に加えて、立地や建物のグレード・築年数・階数(眺望)などをプラス又はマイナスの評価をすることで、価格設定をすることができます。
築20年の一戸建てが土地坪単価100万円から120万円で売買されてるエリアであれば
土地 30坪、建物30坪の場合
土地の評価として3000万円から3600万円の価格帯が一つの目安となります。立地や接道状況、用途地域などによってプラス又はマイナスの評価をすることになります。
また建物の評価として、築年が20年であれば、まだ利用価値があるかどうか・修繕やリフォーム歴が十分に有れば、建物の価格分を乗せることができます。
さいごに
周辺物件の坪単価は、販売価格を決める一つの目安となります。
土地やマンションであれば、不動産売買のポータルサイトでも坪単価や平米単価が表示されるようになってます。
坪単価は購入希望者や買主にとっての目安ともなります。
坪単価いくらで売るべきか知るためにも、周辺エリアや類似エリアの競合物件の坪単価や成約事例の坪単価を知るようにしましょう。
また、不動産を査定してもらう時にも、不動産会社に坪単価や相場などのデータを提示してもらいましょう。
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